何もできない自分が嫌だった
自分を情けないと感じたことはないだろうか。
自分には何もできないと、諦めていたことはないだろうか。
何かを変えなきゃいけないのに、動けなかったことはないだろうか。
私はあった。何度も。
保身に走って見て見ぬふりをしたことがある。
最初の一歩が、どうしても踏み出せなかったこともある。
自分には何もないって。
私なんかじゃ何もできないって。
そんなふうに、ずっと自分を責めてたときがある。
そんなときに、私を救ってくれたのが、『マギ』という作品だった。

アリババの一歩に心を動かされた
初めて『マギ』を見たのは、小学5年生のとき。
ちょうど学校終わりに地上波で放送されてて。
そのときは、面白いアニメだなぁって。アラジン可愛いなぁって。
そんな益体もないことを考えてた。
でも不登校になって、少しこの作品の見方が変わった。
自分のことが情けなくて、お前なんかじゃ何も変えられないって笑われていたアリババ。
王子という責務から逃げて、目の前で人が死にそうになっても、仕方がないことだからって、誰か助けろよって、逃げ出そうとしていた。
その姿は、どこか当時の私と重なって見えた。
でも、違った。
彼は現実から逃げずに立ち向かってた。自分の足で前に進もうとしてた。
あの瞬間、確かに私の心は動かされた。
その”勇気”は、きっとお金でも、お酒でも買えないもの。
もっと知りたくなった。その在り方を。
『マギ』公式はこちら⇒https://www.project-magi.com
布団の中で見ていた『マギ』
布団から出られなかった日々
不登校になってからも、私はこの『マギ』を何度も見ていた。
いや、むしろ不登校になってからより見返すようになった。
布団にうずくまりながら、ただ画面を眺めていた。
何かを変えなきゃいけないって、頭ではわかってた。
でも、その一歩が果てしなく遠くて。
学校に行きたいって思ったこと、何度だってある。このままじゃダメだって。
でも、ずっと通っていなかったから、行くのが怖かった。
どんな反応されるのかなって、人の顔色ばかり窺って。
恥ずかしくて、結局行けなかった。
何も変えられないまま、時間だけが過ぎていく。
そんな毎日が、ずっと続くんじゃないかって怖かった。
親がいなくなったらどうしよう、見限られたらどうしようって。
そんな自分がどうしようもなく嫌いで。”勇気”がもてないことが、辛かった。
それでも見続けた理由
それでも、私はこの作品を見続けた。
『マギ』の中で生きてる人たちは、貧負の差に苦しみ、争いに疲弊し、理想は何度も現実に覆される。
運命という、絶望的に大きな壁があって。
それでも――
彼らは、何度でも立ち上がってきた。立ち向かっていた。
その姿を見て、私もそう在りたいと思った。
『マギ』が教えてくれたこと
人の命の価値は平等だ
この作品を通して、私は知ることができた。
人に優劣なんてないってこと。
どれほど優れて見える人だって、どんなに輝いて見える人だって。
間違えてしまうときはある。
暗闇に沈んでる人だって、明日が見えない人だって、前を向いて歩いてる。
命の重さは変わらない。
綺麗事に聞こえるかもしれない。
それでも――
誰かにとっては、大切な人で。
その人にもまた、大切な人がいる。
そうやって命はつながっていく。
それでも前に進むために
だからこそ人は、自分のために生きながらも、誰かのために生きようとする。
期待に応えたいなって思っちゃうんだよ。
その想いがあるなら、躊躇う必要なんてない。
誰かの言うことなんてあてにならなくて。
自分の足で立って、
頭で考えて、
目で見て、確かめるしかない。
世界は誰かに与えられるものじゃなくて、人生は誰かが歩むものじゃない。
自分で切り拓いていくものだから。誰かに委ねちゃいけない。
行けるところまで、行ってもいいんだよ。
命が続く限り、人生はどこまでも自由だから。
今の私はどうだろうか
今の私は、どうだろうか。
あのとき『マギ』に救われて、
勇気を持って行動できてるだろうか。
誰かに笑われたってかまわないと、自分が信じる道を歩けているだろうか。
正直、まだできているといえない。
私がやりたいことと今の製造派遣という仕事は乖離していて、友達には少し話したくない。大学の友達には、不登校とか浪人だった事実を隠して生きてきた。
人に話したくないことがあるのなんて当たり前のことだけど、いま自分がしていることに恥ずかしさなんて思いたくないし、誇りを持っていたい。
そんな風に考えても、結局話す勇気がない自分に、また嫌気がさしてしまう。
でも、あのとき『マギ』を見て感じたものは、確かに私の中に根付いている。
うまくいかないときもあった。
涙で前が見えなくなるときだって。
それでも、私は今日まで生きてきた。
角度を変えなければ見えないものがある。
前が見えなくなったなら、振り返ったっていい。
「君は勇気ある人さ」
あの言葉に、何度も背中を押されてきた。
だから私は、もう一度踏み出してみようと思う。
ほんの小さな一歩でいい。
あの日の自分に恥じないように。






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